抄録
【はじめに】
香港理工大学はオートレフラクトメーターを購入できない発展途上国でも近視の度数を計測できる廉価なオプトメーターを開発した。ガリレオ式単眼鏡の鏡筒の長さの変化は接眼レンズから射出される光線のバージェンスを変化させる原理を利用しており、構造は簡便である。度数は鏡筒に記載されており、目盛を目測で読み取るようになっている。
製品は等価球面度数のみを計測するもの($200)と、乱視度数を計測できるもの($300)の2種類が製作されている。
ロービジョン者に拡大鏡を紹介する際には近視、遠視の度数を知らなければならないが、日本の教育・福祉現場では計測する装置が設置されていない。そこで、香港理工大学製オプトメーターの利用を提案し、操作方法、使用結果を解説したい。
【使用方法】
1)等価球面度数の計測:ガリレオ式単眼鏡の鏡筒を最長にして雲霧の状態にし、少しずつ縮めていき被験者が明視できるところで止める。その時の数値が等価球面度数である。
2)乱視度数の計測:ガリレオ式単眼鏡の接眼レンズに付属した細隙スリットを利用し、強主経線、弱主経線の度数をそれぞれ計測する。
【使用結果】
晴眼者3名をオプトメーターで計測した後、オートレフラクトメーターで計測した結果は、球面度数で最大-0.8D、乱視度数で最大-1Dの誤差が認められた。
被験者にとって指標がはっきり見えるところでオプトメーターの鏡筒の長さを決定しなければならないため、オートレフラクトメーターのように誰が計測しても同じ値がでるわけではなく、検査者には練習が必要である。しかし、レチノスコープよりも操作が簡便であり、厳密な数値が必要でない場合には便利な装置であると考えられる。