視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集
第21回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
会議情報

ポスター発表
iPadを用いたロービジョンエイドとしての新しい試み
iPadのロービジョンでの活用
*三宅 琢林 知茂野田 知子柏瀬 光寿
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 128

詳細
抄録

【背景】
 Apple社製の多機能電子端末であるiPadは、9.7インチの大きな画面を持ち、極めて直観的かつシンプルな操作で拡大・縮小表示の切り替えや基本機能が使用可能なデバイスである。近年のバージョンアップにより音声入力や音声読み上げ機能(VoiceOver)、画面表示の白黒反転等の様々なアクセシビリティ機能が最適化され、より視覚や聴覚の障害者を意識したデバイスとなっており、ロービジョンのエイドとしての利用が試みられている。われわれはiPad本体の背面カメラを利用した簡易拡大読書器としての有用性を報告した(2011年、臨眼)。その後背面カメラの解像度や音声入力機能の向上があり、より実用的なエイドとして利用可能なユーザー層が拡大してきている。

【目的】
 より多くの視覚障害者にiPadを体験してもらうことで、電子端末に対する抵抗感を軽減させ、現状の視機能を補助するさまざまな活用方法を啓発すること。

【方法】
 iPad関連の情報および視覚障害者むけの情報発信を目的として情報発信サイトGift Handsを設立した。このサイトではiPadを活用するための様々なアプリケーションの紹介や視覚障害者むけの各施設の案内等の情報を発信している。またこれまでiPad2を簡易拡大読書器として利用する際に問題であった背面カメラの解像度を向上させるレンズを開発、販売を行っている。
 その他にiPadの直営店であるアップルストア(銀座)内を始め多施設で、視覚障害者に向けたiPadの活用方法の体験セミナーを行う事で、より多くの視覚障害者がiPad使用に関する抵抗感を軽減させ、各人においてiPadが現実的なロービジョンエイドとして機能するかを体験できるセミナーを行っている。これら自身の活動の現状を報告する。

著者関連情報
© 2012 視覚障害リハビリテーション協会
前の記事 次の記事
feedback
Top