2008 年 18 巻 2 号 p. 71-77
本稿では,ファシリテーションとディブリーフィングを中心に,シミュレーション&ゲーミングと倫理を論ずる.最初に取り上げたのは,吉川(2007)の論点の中から「ゲームを強いること」と「プレーヤの気分を害すること」である.これらの論点について,主としてファシリテータの立場から関連する問題を紹介する.次に取り上げたのは,クラスの規模の大きさがゲーミングのファシリテーションに及ぼす影響である.ゲーミングには適正規模というものがあり,それを超えたファシリテーションは弊害が大きいことを論ずる.その後,ディブリーフィングの功罪とファシリテータの倫理について考える.ディブリーフィングについては,まずその意義や方法などを概観し,ディブリーフィングの特性からディブリーフィングの難しさに言及する.次にファシリテータについては,後ろからそっと押し出す役目を担っていることの責任について述べる.最後に,ゲーミングにおけるプレーヤの倫理について検討する.