2009 年 19 巻 2 号 p. 157-164
日本学術会議は,2006年に「科学者の行動規範」という声明文を公表した.当該声明文は科学者個人宛のものであるが,そこには「科学者の行動規範の自律的実現を目指して」という大学や研究機関,学協会等にあてた要望が付け加えられている.本稿では,そこに示された事項に学会としてどのように向き合うべきかを一研究者の立場から考察している.特に,筆者は教育工学を専門としている立場でもあるので,「研究倫理教育の必要性」という項目に関連して,倫理とモラルとの関係や,教育手法としてのシミュレーション&ゲーミングの可能性を取り上げる.また,この問題に,トップダウンではなくボトムアップで取り組む観点から,学会誌でのこの問題の取り扱いにも触れたい.