シミュレーション&ゲーミング
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Print ISSN : 1345-1499
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大学生の地域防災における主体性の形成を目的とした避難協力ゲーミングに関する研究:個人役割の認識に着目して
留野 僚也 豊田 祐輔鐘ヶ江 秀彦
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2020 年 30 巻 2 号 p. 73-83

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抄録

地域防災において,ステークホルダーである地域住民の主体性が欠如したリスク緩和策の立案・実施の問題が指摘されている.住民の主体性を形成するには,リスク緩和策の実施過程において,地域災害リスクを理解し,それに対応するために決定されたリスク緩和策を個人役割として認識を促す必要がある.また,地域防災への若い世代の主体的な参加・実施を促すことが求められていることから,若い世代が参加しやすい環境下で個人役割の認識を促す必要がある.そこで,本研究では学校教育で応用可能な地域防災における主体性の形成を目的とした避難協力ゲーミングを設計し,大学生を対象にその実施効果の検証を行った.GSの実施によって,多くの参加者が地域防災におけるリスク緩和策の1つとして「地域交流」を個人役割として認識し,また,地域防災行動意図の醸成もみられた.それにより,リスク緩和策の実施過程における地域防災の主体性の形成を目的とした防災学習手法として,GSの可能性を示した.

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© 2020 特定非営利活動法人日本シミュレーション&ゲーミング学会
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