説得納得ゲーム(杉浦 2003)では,環境配慮行動のアイデアを考案し,そのアイデアを実施してくれるように他の参加者を説得する.本研究では,説得納得ゲームへの参加によって変化した省エネ行動意図や態度の変化が1カ月後にも持続しているかを検討する.また,対面で実施した説得納得ゲームの事例と,オンラインで実施した説得納得ゲームの事例を紹介し,オンラインでの実施においても,環境問題に関する態度や行動意図にゲーム前後の変化や長期的効果が見られるかを検討する.対面,オンラインの事例共にゲーム直後では省エネ行動意図,主観的規範,行動統制感が高くなっていた.1カ月後には,省エネ行動意図は対面,オンライン共に事前との差がなくなっていたが,主観的規範は1カ月後にもそのレベルが維持されていた.行動統制感はオンラインの場合のみ維持されていた.また,省エネ問題についての他者の会話意図の認知,自身の会話意図がゲーム後に高まり,他者の会話意図の認知は1カ月後も維持されていた.説得納得ゲームという他者との交流を含むゲームへの参加により,対面でもオンラインでも他者に関する認知が長期的に変化したことが示された.