禁煙科学
Online ISSN : 1883-3926
喫煙者の心理的特性に関する検討
東山 明子 高橋 裕子
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 vol.5 巻 08 号 p. 1-8

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抄録

要 旨
目的:喫煙者はうつ傾向があるとする同様の傾向がみられることを確認するために、大学生の喫煙者と非喫煙者を対象として心理的特性の比較検討を行うことを研究の目的とした。
方法:一般男子大学生で自由に喫煙できる喫煙学生83名と非喫煙学生82名、また日中の喫煙が制限される喫煙学生14名と非喫煙学生14名を対象とした。自己効力感(GSES)、特性・状態不安(日本版STAI)、気分評価(POMS短縮版)、積極性(積極性評価尺度)等を用いて喫煙者と非喫煙者について比較検討した。
結果:喫煙者は非喫煙者よりも自己効力感、活気、積極性が有意に低く特性不安は高かった。自由に喫煙できる場合も、喫煙を制限されて日中喫煙頻度の少ない場合も、非喫煙者に比べて心理面のネガティブさはどちらの場合にもみられた。
結論:非喫煙者よりも心理面がネガティブであることが示唆され、喫煙量や頻度に関わらず喫煙行為の継続が心理面にネガティブな影響を与えることが示唆された。

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© 2011 日本禁煙科学会
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