2013 年 vol.7 巻 11 号 p. 11-16
要 旨
背景:日本の受動喫煙の影響は、職場においてより深刻な数値が示され、早急に有効な職場の受動喫煙対策が求められて
いる。本研究では、効果的な職場の受動喫煙対策の在り方について検討することを目的とした。
方法:全国の施設を対象に職場のSHS(Secondhand smoke:2次喫煙)曝露の実態把握のため、肺がんや心筋梗塞などの疾
患との関連が既に証明されており、WHOから空気環境に関するガイドラインも公表されている微小粒子状物質(PM2.5)
を各受動喫煙対策別に測定するとともに従業員に対しニコチンの代謝物である尿中コチニン濃度測定を実施し受動禁煙対
策別に評価した。
結果:214施設のPM2.5の測定結果と、143名の従業員の尿中コチニン濃度測定結果を屋内禁煙、屋内分煙、喫煙自由と各受
動喫煙対策別に比較検討したところ、敷地内も禁煙である全面禁煙以外の施設での受動喫煙が示唆される結果が得られ
た。
結論:職場の受動喫煙を防止する効果的な受動喫煙対策は、敷地内も禁煙である全面禁煙であることが分かった。