2014 年 70 巻 5 号 p. I_395-I_403
高齢者にとって外出は,自身の運動機能や認知機能を用いる機会であるため,健康維持に有効と考えられ,特に公共交通を利用した外出はより寄与があると考えられている.しかし,介護予防のために国や自治体が把握に努めている高齢者の多様な生活機能について,公共交通を含めた外出手段がそれらの維持にどれだけ影響を及ぼしているのかに関しては検証がなされていない.そこで本研究では,地方都市を対象に,生活機能の側面に着目した高齢者の健康の推移とその個人が利用している外出手段の関係を大規模なデータを用いて実証的に検討する.