安全教育学研究
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養護教諭のヒヤリ・ハット経験の実態とその関連要因
大沼 久美子刈間 理介三木 とみ子遠藤 伸子平川 俊功鈴木 裕子道上 恵美子岩崎 和子力丸 真智子藤田 徹子
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2013 年 13 巻 1 号 p. 19-36

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抄録
学校教育において児童生徒の安全と健康を確保することは極めて重要な課題である。多くの養護教諭はその職務の中で「ヒヤリ」としたり「ハット」したりするいわゆるヒヤリ・ハット経験をしている可能性が考えられる。本研究は、養護教諭のヒヤリ・ハットを「重大な災害や事故には至らないもののそれに直結してもおかしくない一歩手前の事例、文字通り、突発的な事象やミスにヒヤリとしたり、ハッとしたり、大事には至らなかった小さな失敗事象」と仮定義し、養護教諭のヒヤリ・ハットの実態やその関連要因、ヒヤリ・ハット経験時の心身の状態を明らかにし養護教諭のヒヤリ・ハットを検討することを目的とする。
調査は8県の養護教諭565人に研修会終了後に同意を得て無記名自記式質問紙調査を実施した。回収はその場もしくは郵送とした。回収数は481(回収率85.1%)、有効回答数は470(有効回答率97.7%)であった。調査内容は、ヒヤリ・ハット経験の有無、経験したヒヤリ・ハット事象の種類・内容、そのヒヤリ・ハット経験に関連した要因と心身の状態についてであった。
結果として、有効回答とした470名うち467名(97.7%)の養護教諭がヒヤリ・ハット経験を有しており、ヒヤリ・ハット経験はほぼ全ての養護教諭に認められることが示された。回答者の中には1人で複数のヒヤリ・ハット経験を報告した養護教諭も少なくなく、本研究における調査では合計1079事例のヒヤリ・ハット経験が報告された。これらヒヤリ・ハット経験は養護教諭の職務全般にわたって認められ、特に、養護教諭のヒヤリ・ハット経験が発生する職務では、「外科的救急処置」における事象が338事例(31.3%)と最も多く、次いで「健康診断」229事例(21.2%)であった。また、養護教諭のヒヤリ・ハット経験の関連要因は事例記述の内容分析により7つのコアカテゴリー(アセスメント、判断、指導・対応、準備・後始末、情報管理、体制管理、連携、その他)に分類された。中でも「連携」(23.3%)が多かった。養護教諭のヒヤリ・ハット経験時の心身の状態は「いつもと変わらない」が大多数であった。養護教諭のヒヤリ・ハットを未然に防ぐためには、関連要因に対する対策を講じていくことが必要と考えられる。
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