抄録
本論文では、特に学校内での児童の負傷予防を目指した安全教育プログラムの実践結果を報告する。目標設定理論や実行意図を理論的背景とし、安全のための具体的な行動目標を、児童自らが設定する点を特徴とする教育プログラム「ひなどり」を開発した。本プログラムでは、児童自らが校内の危険な状況を見つけ、怪我を防ぐための具体的な行動目標をピクトグラムとして描き、掲示する内容であった。64名の小学校4年生を対象とし、総合的な学習の時間を5コマ(225分)利用して、3週間のうちの3日間で実施した。しかし、教育開始前と教育終了後の約1ヶ月間の危険行動の頻度を尋ねたものの、教育後の有意な減少は見られなかった。その一方で、負傷により保健室を訪ねた児童数を分析した結果、4年生においては他学年に比して有意に減少した。考察では、学校外での安全にも目を向けた教育の展開や、他校への普及の可能性について議論した。