抄録
本研究は保健室に訪れる児童生徒に対する養護教諭の診断法と対応過程について,杉浦の養護診断判定区分との照合で調査検討した.保健室を訪れる児童生徒の訴えや問題は,重症度・緊急度が多様でそれぞれが個別であり,休憩時間には同時に大勢が集中することもある。そうした保健室に訪れる児童生徒に対する養護教諭の対応場面を観察記録し,その村応過程を杉浦の養護診断判定区分と照合した結果,養護教諭は,訪室した児童生徒に対して,傷病存在の有無を観察聴取し.杉浦の養護診断判定区分による教育面と医療面の2領域で判定し,訪室者が複数以上の場合は,傷病の重い方から優先して必要なことを選び,重症度を診るためのバイタルサインの確認や問診,検診などの診断をもとに養護活動をしていることが示唆された。