【緒言】本学では、第2学年のシミュレーション授業に反転授業を取り入れてきた。コロナ禍の2020年度は、学生に動画のセリフを書き起こさせ、学生間で Online にて動画を再現する Output を実施し、2021 年度は同法を対面で実施した。【目的】動画のセリフを書き起こし、学生間で再現することにより、さらなる学習効果の向上を認めたため、学習効果の有用性を検討することを目的とした。【方法】対象は A 群読み合わせなし(2019 年度 61 名)、B 群:Online による読み合わせ(2020 年度 55 名)、C 群:対面での読み合わせ(2021 年度 66 名)とした。各年度到達度評価表の項目である①状況評価・初期評価、②手技の習得、③学生間のコミュニケーション、④安全管理、⑤時間管理について比較検討した。3群間の比較には Kruskal-Wallis 検定、2群間の比較には Dunn-Bonferroni 検定を用いた。【結果】検定の結果、項目①ではOnlineより対面での実施が効果的であった。手技や対人スキル(項目②③)では、読み合わせでは習得できない身体活動が多かったものの、読み合わせによるOutputを導入することで一定の効果を認めた。【考察】読み合わせによるOutputを行い、手順を十分に理解することで、手技も向上したと考えられる。反転授業では見聞だけでなく、学生自らのOutputが重要であることが示唆できた。