日本シミュレーション医療教育学会雑誌
Online ISSN : 2436-4452
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特集
原著
  • 内海 桃絵, 内藤 知佐子, 任 和子, 谷口 初美
    2022 年 10 巻 p. 24-31
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    目的:看護シミュレーション教育のファシリテーターの成長のプロセスを明らかにする。方法:質的帰納的研究デザインを用いた。対象は看護シミュレーション教育のファシリテーター経験がある看護師で、2020年8~9月に Webインタビューを行った。データ分析は逐語録から重要発言を抽出、コード化し、相違点、共通点について比較、分類し、集まったものの共通性を見出してカテゴリー化した。所属施設の倫理審査委員会の承認を得て実施した。結果:研究参加者は12名で、看護師平均経験年数は25 ± 10年、ファシリテーター平均経験年数は 8 ± 4年であった。データ分析の結果30のテーマから 9 のサブカテゴリー、4 のカテゴリーが得られた。4 つのカテゴリーは、【仲間との実践と振り返り】【自分らしいファシリテーター役割の実践】【自律的なシミュレーション教育拡充に向けた取り組み】【ファシリテーター役割の内面化と応用】であった。結論:対象者は、機会を逃さずに実践を繰り返し、指導者から継続的な支援を受け、仲間との内省を行っていた。それにより、ファシリテーター役割を概念化し、さらにファシリテーションスキルを日常看護業務における新人看護師指導に役立てるなど応用もしていた。ファシリテーター支援には、基本的なスキルを教授するととともに、お互いに支えあえるコミュニティの形成が必要である。
実践報告
  • 鈴木 智文, 羽場 政法, 助永 親彦, 植木 隆介, 古谷 健太, 駒澤 伸泰
    2022 年 10 巻 p. 32-37
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    日本医学シミュレーション学会SED委員会は、処置時鎮静に関わる多職種対象のシミュレーション講習会を開催している。今回、遠隔シミュレーションを活用して、看護師を対象にしたオンライン鎮静実践セミナー(SED Online)を試行した。SED Online 施行前後に参加者 12 名の鎮静ガイドラインに対する共感度の変化を分析し、遠隔シミュレーションによる学習効果の検討を行った。18 の設問に対し、「鎮静を行う前に適切な絶飲食時間を設定する(P = 0.014)」「患者が心肺抑制の危険がなくなるまで観察する(P = 0.014)」の 2 項目で有意に受講前より受講後での共感度の改善が認められた。SED Onlineは一定の学習効果を認めたが、遠隔シミュレーションによるテクニカルスキルの習得は困難であり、その補完が今後の課題である。
  • 望月 千夏子
    2022 年 10 巻 p. 38-42
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    【目的】内診演習におけるシミュレーション教育を評価し、今度の課題を見出すことを目的とする。【方法】助産学生を対象とし、内診モデルを活用した 2 段階構成の内診演習を実施後、学び・感想を自由記述により回答した。【結果・考察】各内診演習の結果から、「分娩進行に沿った児頭回旋の変化を理解する」知識、「ビショップスコア・児頭回旋を観察する」技術、「安楽に配慮した関わりをする」態度を統合した教育成果が示された。さらに、3 次元画像を内診演習に活用することは、内診時に必要となる知識・技術習得をより促進することが示唆された。
  • -学習到達状況の推移と学生による演習評価-
    加藤 沙弥佳, 末次 典恵, 吉永 砂織, 鶴田 来美, 金子 政時
    2022 年 10 巻 p. 43-50
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、2年次と4年次の採血技術演習における、看護教員と臨床看護師の連携による教育実践を報告するとともに、学生による採血技術の自己評価と演習に対する感想を分析することで、今後の教育支援への示唆を得ることである。採血技術演習の自己評価点については、ほとんどの項目で 4 年次で自己評価点が 2 年次よりも高くなっており、その中でも統計的に有意差が確認された項目は、医療安全と静脈穿刺の手技の 2 つに大別された。また、演習に対する感想を分析した結果、演習は少人数制で目の届く指導となっており、学生に好評価であったことが示唆された。これらのことから、4 年次の学生は演習を通して自分の手技を振り返り、技術の課題を明らかにできており、採血技術に関して経験や実習での経験をふまえた学びのサイクルが展開されたことが伺えた。教育と臨床との連携による演習の取り組みは、就職前に学生の学習意欲を高め、看護基礎教育から看護継続教育へスムーズに移行していくための動機づけとなることが示 唆された。
  • 江㞍 晴美, 荒川 尚子, 中山 奈津紀, 田口 博子, 大屋 富彦, 田中 美帆, 富井 友香, 山本 司
    2022 年 10 巻 p. 51-56
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    【目的】開腹術後患者を設定したシミュレーション演習(演習)における呼吸及び循環に関する観察項目とアセスメントの内容を明らかにして、演習方法を検討する。【方法】看護系大学の 3、4 年生に対して演習を行い、25名分の記録用紙に記載された内容を分析した。演習は喫煙歴があり高血圧を既往にもつ開腹術後患者を設定した。対象者は、個人で全身麻酔による生体侵襲の学習を事前学習した後に、グループで知識を共有して演習では開腹術後患者の観察とアセスメントを行い、記録用紙に記載した。記録用紙は、2 年次の講義の際に使用したものと同様の形式とした。分析方法は、観察項目はテキスト分析を行い、アセスメントは質的に分析を行った。【結果】記載された呼吸に関する観察項目は、経皮的動脈血酸素飽和度(88%)、呼吸回数(56%)、呼吸音(48%)、などであった。循環に関する観察項目は、体温(84%)、血圧(76%)、末梢冷感(60%)などであった。また、患者の嗜好や既往歴から状態をアセスメントした記述は対象者の半数以下であった。【考察・結論】術後患者を設定した演習では、観察及びアセスメントの不足が明らかになった。prebriefing として、事前学習とシミュレーション学習を関連付けることで、観察とアセスメントを充実させる工夫や、時間配分の検討が必要と考える。
  • 阿曽 亮子, 石川 和信
    2022 年 10 巻 p. 57-63
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    医学生には知識、技能、態度を備えた臨床実践能力の修得が求められている。本研究では模擬患者(Simulated Patient, 以下 SP)参加型医療面接実習(以下 SP 実習)直後で、Clinical Clerkship(以下 CC)開始後間もない日本医科大学の学生12名に半構造化面接(インタビュー)を行い、一般市民参加のSP実習が医療面接スキルの修得と患者-医師間信頼関係構築に結びつくプロセスを、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて質的に分析した。インタビューでの質問は「SP 実習で印象的なことは?」など5項目を設定した。実臨床へと進む時期の医学生は、最初は初対面のSPと接する緊張感で自信のない思いを抱いたが、しだいに自分からやってどこまでできるか試したいという意欲と医師になる実感を得ていた。SP からのフィードバックにより、患者との信頼関係構築の大切さを自覚し、共に学ぶ同級生の観察やグループでの振り返りに大きく影響を受けていた。SP実習の経験は、CCに進んだ直後の医学生に、実際の患者に相対する自信と心構えをもたらしており、医学生はCCでの実際の患者との緊張に耐えてSP実習の学びを生かして患者に配慮し、患者中心の視点で先輩医師を観察していることが示唆された。CC担当教員は、経験しながら自分を向上させていきたいという医学生の意欲を活かし、日々の実習を振り返らせるアプローチ(debriefing や portfolio)を用いた支援的な態度で接することが有効と考えられる。
  • 二宮 早苗, 川北 敬美, 土肥 美子, 赤崎 芙美, 宮島 多映子
    2022 年 10 巻 p. 64-69
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    本報告は、緊急事態宣言下に本学が同時双方向型オンライン演習により実施した採血の基礎看護技術演習の実践内容を提示し、今後の課題を検討することを目的とした。オンライン演習時の状況や学生の様子、オンライン演習後の技術習得状況を教員の視点から評価した結果、注射器・注射針の接続など作業範囲の小さい動作では、個々の学生の様子を教員が把握でき、駆血帯の装着、消毒、穿刺、抜針などの段階的な技術習得はオンライン演習でも可能であることが示唆された。一方、物品配置など作業範囲の広い動作や対象者への関わりを必要とする技術の教授はオンラインでは困難であった。今後も高い教育効果を目指して工夫を重ねていくことが必要である。
  • ~「読み合わせ」による Output を導入した効果の検討~
    高梨 利満, 酒本 瑞姫, 菊川 忠臣, 高山 祐輔, 茂呂 浩光, 橘田 要一, 小菅 宇之, 國府田 洋明
    2022 年 10 巻 p. 70-76
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    【緒言】本学では、第2学年のシミュレーション授業に反転授業を取り入れてきた。コロナ禍の2020年度は、学生に動画のセリフを書き起こさせ、学生間で Online にて動画を再現する Output を実施し、2021 年度は同法を対面で実施した。【目的】動画のセリフを書き起こし、学生間で再現することにより、さらなる学習効果の向上を認めたため、学習効果の有用性を検討することを目的とした。【方法】対象は A 群読み合わせなし(2019 年度 61 名)、B 群:Online による読み合わせ(2020 年度 55 名)、C 群:対面での読み合わせ(2021 年度 66 名)とした。各年度到達度評価表の項目である①状況評価・初期評価、②手技の習得、③学生間のコミュニケーション、④安全管理、⑤時間管理について比較検討した。3群間の比較には Kruskal-Wallis 検定、2群間の比較には Dunn-Bonferroni 検定を用いた。【結果】検定の結果、項目①ではOnlineより対面での実施が効果的であった。手技や対人スキル(項目②③)では、読み合わせでは習得できない身体活動が多かったものの、読み合わせによるOutputを導入することで一定の効果を認めた。【考察】読み合わせによるOutputを行い、手順を十分に理解することで、手技も向上したと考えられる。反転授業では見聞だけでなく、学生自らのOutputが重要であることが示唆できた。
主張
  • 淺田 義和
    2022 年 10 巻 p. 77-80
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    H5Pはオンライン教育で活用するためのインタラクティブな教材を作成可能なツールである。H5Pでは多様な教材を作成可能である。MoodleなどのLearning Management System上で作成可能なほか、無料の作成ソフトであるLumiも利用できる。医療シミュレーション教育の観点からは、特にInteractive Video、Branching Scenario、Virtual Tourの活用が期待できる。本論文では、医療シミュレーション教育教材としてのH5Pの利用可能性を検討する。Interactive Videoは動画や静的なページに対して設問や資料を埋め込むことが可能であり、学習者が能動的に活用できる教材を作成することができる。Branching Scenario は選択肢によってストーリーが分岐するシナリオを作成することができる。臨床実習を仮想的に体験するために症例ベースの教材を提供する際などに有用となる。Virtual Tour は360度カメラの画像等を用いてVR(Virtual Reality)としての空間が作成できる。学習者が自分で VR 空間を移動することが可能であり、早期体験等でのシミュレーションに適すると考えられる。これらの特徴として、いずれも知識に関する教材作成には適しており、学生の自己学習を支援することが可能であるという長所がある。一方、技能や態度の教育に対しては不十分という課題もある。また、自己学習や反復学習には適するが、総括的評価などの試験には不向きであることも課題である。H5P のみを用いて教育を完結させるのではなく、対面でのシミュレーションや VR を活用した教育とのハイブリッド型教育を検討することが望ましいといえよう。
研究報告
  • 謝花 小百合, 大城 真理子, 具志堅 翔子, 神里 みどり
    2022 年 10 巻 p. 81-89
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    本研究ではシミュレーションを活用した終末期がん患者の臨終後の家族ケアを通した学生の学びを明らかにすることを目的とする。方法は 4 年次学生の緩和ケアレポートを質的記述的に分析した。研究の結果、学生の学びとして【家族の時間を尊重しつつ、寄り添う】【思い出の共有や家族の後悔を最小限にする関わり】など 4 つのカテゴリーが抽出された。また、学生の感想として【緩和ケアの苦手意識の軽減と看護のやりがい】など 6 つのカテゴリーが抽出された。シミュレーションを活用することで、学生は臨終後の家族ケアとして家族の立場に立脚し配慮することを学んでいた。今後の課題として、学生全員が看護師役を体験できる工夫が必要である。
  • 飛世 真理子, 斉藤 しのぶ, 山本 利江
    2022 年 10 巻 p. 90-97
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    本研究は、感染予防技術の習得段階にある学生に微粒子可視化システムを活用し、その認識の変化からシステムの有用性を検討することを目的とした。A 大学 2 年生 12 名より自記式質問紙調査への回答を得た。分析の結果、微粒子可視化システム活用による学生の認識は、【想像以上に空中に菌や埃がある】【自分の身体から発生する浮遊物がある】【感染予防技術の行為の意味が理解できた】など 6 カテゴリを形成した。学生はシステムの活用を通して、菌や浮遊物の存在を認知し、具体的な行動をイメージできるように変化していた。これは、感染予防技術の修得段階の学生に微粒子可視化システムの活用が有用であることを示唆した。
教材・シナリオ
  • 駒澤 伸泰, 寺﨑 文生, 瀧谷 公隆, 河田 了, 中野 隆史
    2022 年 10 巻 p. 98-100
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    背景:Post-CC(診療参加型臨床実習後)OSCEの本学独自課題の1つとして、ビデオ映像を活用した「手術説明のカルテ記載」を行ったので報告する。方法:患者への手術説明に関するビデオは、医学部教員および事務職員が、模擬患者および模擬医療者役を担当して行った。ビデオは約5分の長さに編集した。受験した6年生は、カルテ様式の解答用紙に説明内容を筆記した。採点は、2名の教員がチェックリスト(10 項目)および6段階の概略評価を用いて行った。結果: 受験生 96 名のうちチェックリストの合致数は 7.6 ± 1.1 項目であった。概略評価は6が3名、5が14名、4が55名、3が21名、2が 3 名、1 はなしであった。概略評価 2 の 3 名を再試験対象とした。結語:ビデオ映像を活用した「手術説明のカルテ記載」は、インフォームドコンセント時における医学生のカルテ記載能力を評価できる可能性がある。
  • 平上 二九三
    2022 年 10 巻 p. 101-107
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    [目的]リハビリテーション(リハ)医療における知識・技能・態度を育むシミュレーション教育の理論的なモデルを開発する。[学習方略] 新人の理学療法士・作業療法士に対してリハを行うための知識と技能を伝える。知識は、患者のおかれた状況を全体像として捉えて、課題を認識するための手続き的な知識である。一方、技能は、患者家族と多職種に実現可能性のある目標とその道筋を示すリハ技能である。[学習成果]態度は、手続き的な知識とリハ技能を学ぶことでリハマインドが育まれる。[結語]手続き的な知識・リハ技能・リハマインドといった学習要素がつながる教育モデルを活用することにより、シミュレーション教材を開発することが可能になる。
関連学会報告
  • ― セミナーとワークショップ2021について ―
    五十嵐 寛, 石川 和信, 二階 哲朗, 万代 康弘, 阿部 幸恵, 金子 一郎
    2022 年 10 巻 p. 108-113
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    シミュレーション教育研修を担当している教職員を対象として、2018年に開始したセミナーとワークショップ第4回を、2021年10月の第10回学術大会の学会企画として実施した。今回は全国規模で活動する医療シミュレーション学会4学会の代表に各学会の紹介と特徴を発表していただき、今後のコラボレーション等につき討議した。本論文ではこの企画の概要を報告する。
  • 淺田 義和, 竹内 保男, 鈴木 慎太郎, 山本 憲, 二階 哲朗
    2022 年 10 巻 p. 114-118
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    シミュレーション医療教育の実践において、ICT(Information and Communication Technology)をはじめとしたさまざまな技術が活用されている。また、学習意欲の刺激や教育の効果・効率を向上させることなど、シミュレーション自体ではなく教育そのものの改善に役立てることも可能となる。本シンポジウムでは、ICT活用の総論に触れたのち(1)デブリーフィング、(2)バーチャルシミュレータ、(3)バーチャルリアリティ、(4)遠隔シミュレーションという4 つの観点からICT活用の事例を紹介した。これらの事例を通じ、特に技能を教育する場面におけるICTを活用した実践の有用性と課題、ICT活用教育を推進していくにあたって必要となる医療教育者とICT技術者との連携などに関するディスカッ ションが行われた。
  • 駒澤 伸泰, 内藤 知佐子, 仲 俊行, 丸山 桂司
    2022 年 10 巻 p. 119-122
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    多職種連携教育の必要性は高い。シミュレーション教育法は、ノンテクニカルスキル養成に有効であり、多職種連携教育への応用が期待されている。今回、第9回日本シミュレーション医療教育学会においてシンポジウム「多職種連携推進のためにシミュレーション医療教育ができること」を開催し、各領域における多職種連携教育の試みと課題を紹介した。そして、共通学修目標設定、心理的安全性、シミュレーションスペシャリストの役割に関するディスカッションを行った。現在の多職種連携教育は「連携のための建設的討論」に重点が置かれているが、多職種連携教育の基盤には、他職種の業務内容や育成過程などを学ぶ姿勢の涵養が必要かもしれない。
大会長報告
  • 金子 一郎
    2022 年 10 巻 p. 123-127
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    2021年10月23日(土曜日)帝京大学板橋キャンパス、帝京大学シミュレーション教育研究センター(Teikyo University Simulation Education and Research Center TSERC)にて第9回学術大会を開催した。2021年もCOVID-19 パンデミックの影響で、対面での学術大会開催が困難であった。そのため今回の学術大会はオンラインで開催した。オンライン開催にもかかわらず多数の参加者に参加いただき、シミュレーション医療教育に関する十分なディスカッションが可能であった。また海外からの招待演者を招く事で論議の活性化が可能であった。開催にあたっては、日本シミュレーション医療教育学会理事、評議員及び会員の皆様、TSERCスタッフ、帝京大学医学教育センター(CMET)スタッフそして関連企業の協力、これらをまとめることで有意義な大会が開催できたと考えられる。今回の学会のテーマはシミュレーション医療教育のコミュニティーを拡大しようという新たな提言であったが、その第一歩を踏み出す大会として十分な成果をあげられたと考えられる。また学術大会のオンライン開催の有用性についても良好な成果が得られたと考えられた。
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