抄録
本研究の目的は、看護学生を対象にした看護シミュレーション教育の学習効果に焦点を当てて、その動向を明らかにすることを目的とし、今後のシミュレーション教育充実のための基礎的資料とする。医学中央雑誌Web.Ver5を用いて「シミュレーション」and「学習効果」and「看護」の原著論文に限定し、看護師を対象とした文献と教材開発は除く、19文献を本研究の対象とした。文献検討の結果、分野では基礎看護学、侵襲を伴う看護技術に焦点を当てた母性・助産、救急・災害看護、成人看護学急性期でのシミュレーション学習が大半を占めていた。また、学習効果を示す判断は、学生の自己評価・レポート・リフレクション・ポートフォリオ等の自由記述によるものから評価分析され、シミュレーション教育の有用性が示されていた。特に看護場面のイメージ化の成立、学生の意欲や主体性の育成、達成感や満足感、看護師としての責務に気づくことにつながる学習効果が得られていた。