抄録
【背景】在宅医療の浸透に伴い、医師や看護師ではない範囲も含め、一定水準の看護教育を受けたケア提供者を増やすことは重要な課題となる。
【目的】気管内吸引を例に、手技の習熟を支援する体験型の看護教育システムを開発する。
【方法】気管内吸引中の実施者の全身動作および視線を計測する。仮想現実(Virtual reality: VR)空間で人型モデルに計測データを反映することで手技の再現・観察を可能とする。
【結果】学習者が模範手技を一人称視点で追体験することが可能であるとともに、指導者が学習者の手技を自由な視点から観察し定量的に分析・評価するための手段にもなる。
【考察】手取り足取りの指導を使用者自身の模倣で代替することにより、言語化しにくいコツや巧みさの伝達を支援しうる。