生活指導研究
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被虐待体験と非行の関連及び非行・犯罪からの離脱のプロセスを左右する要因
羽間 京子
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2021 年 38 巻 p. 45-57

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抄録
本研究は、被虐待体験及び非行の関連と、非行があった場合の非行・犯罪からの離脱のプロセスに影響を与える要因を、探索的に明らかにすることを目的とした。グラウンデッド・セオリー・アプローチを採用し、被虐待体験を有する成人男性13名と女性8名で、非行のなかった人6名と非行がありその後離脱している人15名(うち7名は非行・犯罪の継続があった後に離脱)に、半構造化面接を行った。被虐待体験及び非行の関連と、非行・犯罪からの離脱のプロセスを左右する要因の多くが共通していた。その要因とは、(a)ネガティブな感情への対処、(b)自分や状況に対する評価や判断、(c)周囲のかかわり、(d)周囲のかかわりの受け入れ、(e)希望や大事にしたいものの存在、(f)追いつめられた状況での危機感と危機回避、そして、(g)非行があった場合はその後の、社会の中で安定したい思いであった。非行予防のために児童虐待への早期介入が重要であり、また、非行があった場合は、周囲の支援と本人のより主体的な動きが非行・犯罪からの離脱を支えることを見出した。
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© 2021 日本生活指導学会
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