抄録
早期産褥期の病産院体制には,母児同室と異室がある。近年,我が国では母子の隔離による弊害から母児同室が見直されているが, その利点が生かされていないのが実情である。そこで本研究は,母子の寝床空間機能を,特に褥婦の入院時の意識的・心理的および生活行動的な側面から見直し,早期産褥期の母子環境の要求条件を抽出することを試みるものである。本稿では, ヒヤリングとアンケート調査から,入院中の褥婦の愛着形成に関わる要因とその影響の度合いについて明らかにすることを試みた。調査の結果,子に対する愛着は褥婦の体調と深く関わっているものの,授乳を始めとする新生児との触れ合いの中で築かれていく状況が確認できた。