抄録
印刷木目の経年による退色変化を参考に,「色あせた」「古そうな」などの心理イメージに関与する色彩などの物理量との関係の数式化を試みた。心理イメージに関係する色彩以外の特徴的物理量も探し,画像におけるむらがひとつの重要な因子であることを見出した。1)「古そうな」および「色褪せた」イメージは画像全体の彩度の低下に大きな影響を受ける。2)画像全体が一様に色彩変化した印刷木目よりも,色彩変化にむらが生じている画像において「色褪せた」「古そうな」イメージが強くなる。3)単に彩度が低くなっただけの画像よりも,木材色としてありえない色彩が存在する画像の方が「感じのよさ」がより低くな る。