本研究は,これまでのタスク分析において一般的な手法として用いられている VTR を利用した分析技法と,長時間かつ広範囲な位置情報を記録可能である無線 LAN による位置検知システムを応用した技法について,歩行行動分析への適用性を評価することを目的とした。 その結果,①VTR 記録による調査は,不特定多数の建物利用者数の変化や停留位置等の全体的な傾向や特性を分析する場合に有効であった。②位置検知システムによる調査は,特定の被計測者に対して1日を通した建物内の行動分析情報を,作業環境や機器配置等と対応させて容易に収集できることがわかった。