抄録
キリスト教は歴史的あるいは地域的に多様性があるが,それなりの必然的な変化を経て現代に至っていると言えるので,その変遷をダイアグラムとして捉えておくことが教会建築設計には必須と言える。特に宗教改革から現代の第二バチカン公会議に繋がる変遷は重要であり,本論文は現代教会建築の設計指針を得る研究の一つとして,2000年続くキリスト教の大きな構造変革の背景を,教会建築設計の中に位置づけるものである。この現代教会建築に繋がる構造変革は,具体の教会建築設計において神父司祭や信徒役員と設計内容を共有するために必要な資料として,こだわるべきポイントに留意して整理し設計資料としたものである。