2018 年 28 巻 p. 49-56
本研究では,国公立大学図書館に設置された LC において,より効率的な学習効果を得るための方向性を明らかにすることを目的として,全国の国公立大学図書館を対象としてアンケート調査および文献調査を実行し,その結果から LC の「現状・人的支援」「規模・設置形態」「構成要素・利用形態」について分析を行った。本稿の知見を次にまとめる。1)LC に TA・SA を配置している割合は低く,それが学習空間の活性度低下に直結している。2)LC の設置位置は,大学図書館の出入口近くに LC を設置するパターンが多い。LC を図書館の受付に近づけることにより,TA・SA の役割を図書館職員が兼任することができるようになり,TA・SA スペースを軽減できるといえる。3)現状においては,人的支援における支援する人の不足が課題の根本といえる。TA・SA が十分に雇用できない場合は,効率的な運用を図ることが必要といえる。