1988 年 44 巻 12 号 p. 893-899
通常のイメージ法では、各種閉空間内の音場は実音源及び虚音源群の離散的な分布を想定し、それらの寄与の総和を算出することにより求められる。本稿ではより簡便な計算手法として、音源の離散分布を連続分布で置き換える場合の平滑化法について考案した。その結果、室空間、トンネル(廊下)、平行壁面間の音場は実音源からの距離と共に出力が指数関数的に減衰する連続的な音源分布を用いて算定できること、またこの減衰係数は閉空間内の平均自由行程や壁面等の平均吸音率から求められることを示した。更にまた、近距離場に対しては実音源(直達音)と虚音源(残響音)の寄与を分離し、後者のみ平滑化する方法について検討を加え、実音源の周りの音場に関する補正を導いた。