本研究は,室内音場のトポロジー最適化の方法を構築し,それによって残響室の形態の設計を試みたものである。提案手法は,室内音場の解析に有限要素法を用い,トポロジー最適化のために進化的構造最適化法(Evolutionary Structural Optimization Method : ESO 法)を応用している。トポロジー最適化の目的関数は,室内音場の低域における固有周波数の分布ができるだけ均一に近くなるように設定される。提案手法によって残響室の形態の設計を試み,実際に固有周波数の分布が均一となるような室の形態が生成できることが示される。