高級音質を指向するオーディオ増幅器の音質劣化の原因として、高周波雑音の影響を考え、100%帰還による2段帰還増幅器について、実験と理論の両面から検討している。増幅器の入力インピーダンスに着目した解析から、入力インピーダンスはある高周波領域において負性抵抗と容量リアクタンスの直列素子で表されることが分かり、それぞれがオーディオ周波数で微小変動すると考えた、一つの線形モデルを想定する。モデルから得られた微分方程式を近似的に解くことによって、変調メカニズムが知られ、そのメカニズムに基づいた変復調の計算を行って、実験による結果をある程度理論的に裏づけられることを示す。