自動車内のステレオ再生音を評価するために、カーステレオのスピーカの代表取り付け位置であるフロントダシュボード上あるいはリアトレイ上にスピーカを置いたときの、音圧の周波数応答を主な座席の乗員の頭部が占める位置で測定した。次に、自動車のリアトレイ上にスピーカがある場合に観測された、数百Hz付近に生ずる特徴的な谷形の周波数応答について検討を行った。その結果、上記特性がリアトレイにある音源近傍の反射面の影響で、音源の放射インピーダンスの実部すなわちパワーレスポンスが変化することによって生じることを、Waterhouseの方法による理論計算及び模型実験によって示した。