1989 年 46 巻 1 号 p. 40-44
加算性の成立に立脚して分解・総合の容易なエネルギー変動量に着目するとき統計的に安定で重要な評価量はL_Aeqであり、近年これによって環境騒音を評価しようとする方向にあることは周知のとおりである。他方、騒音に関する物理モデルや防音対策を考える場合は、純物理量としての音圧変動波にまず着目するのが常である。このとき、エネルギーをベースとして得られるのはL_Aeqでなく等価音圧レベルのほうである。本報告では上記の等価音圧レベルとL_Aeqとの間の統計的関連性について考察している。具体的には、等価音圧レベル分布を用いてL_Aeqの分布を推定する一手法を提案した後、その正当性をシミュレーション実験によって確認している。