1994 年 50 巻 11 号 p. 861-868
本論文は、間欠音を発して動作する機器を、音響を利用して診断する手法を提案し、実験的に有効性を示したものである。間欠音を、1/6オクターブフィルタを介すことにより、メカ動作の特徴をS/Nよく抽出し、これをエルミート直交系を用いて処理することによりベクトルとして近似する。これと基準ベクトル系列間でDPマッチングを行うことによって、間欠音を診断する上で問題となる動作タイミングのズレを吸収して、間欠音の診断を可能にした。また、上記手法を効率よく実行するために、DSPを内蔵した小型の音響診断装置を作成した。