抄録
近年, 音楽や音響傾聴時の脳波解析を行って脳機能や感性との相関を調べる研究が盛んに行われている。しかし音楽や音響のような多様・多相な特性を持つ精神的負荷を用いた場合, FFTやトポグラフィック・マッピングをそのまま適用しただけでは脳波変化の特徴を正しく捉えきれない場合が多い。本論文では脳の各部位間における脳波伝搬モデルを用いた有向コヒーレンス解析を拡張し, 頭皮上の多数電極間の信号移動量をマッピングすることにより信号源の位置, すなわち脳活動部位を推定する方法を提案した。また, シミュレーションでその有効性を確認し, 実際に被験者から採取した音楽傾聴時の脳波分析に適用して推定される活動部位の妥当性を確認した。