1997 年 54 巻 1 号 p. 21-30
筆者らはこれまでにカンチレバー長さが数ミリメートルのオーダにある微小振動子においても局所的な送風機能が備っていることを実験的に確認しているが, そのときの送風効率は1%程度と非常に低い値を示した. しかしながら, 本実験では振動子の機械的構造によって送風効率は大きく変化し, 最高効率40%の運転条件の存在が確認された. これらの実験結果から良好な送風効率の条件は周囲流体によって生じる機械的な負荷インピーダンスに対する振動子自身の機械的インピーダンスの整合の間題であり遠心力の他振動子の表面圧力による流れの誘導作用がその基本特性に影響することが理解され, マイクロファンの設計指針を得た.