近年盛んに行われているいわゆるディジタルアーカイブはアナログ再生する際に再生針などにより少なからず対象が破損してしまうという問題がある。また,蝋管やレコードの音溝には全面に音情報が刻まれており,それらを利用したS/Nの改善を行ってきた。このような背景から蝋管や初期のSPレコードなどに対し現在の技術を駆使し非接触・非破壊によってできる限りの情報を読み取り保存・再生し必要に応じて精巧なレプリカを作製可能な技術の確立を目指している。今回蝋管に対して全面をレーザで読み出し詳細な3次元情報を得ると共に音情報の再生を行ったので報告する。また,劣化の激しい蝋管や破損した蝋管の再生も試みたので併せて報告する。