和声法の学習者にとってソプラノ課題はバス課題と比較すると困難であると一般に言われるが,本論文はその困難性を定量的に述べている。具体的には,与えられたソプラノ音列に設定することのできる和音進行の多くは下3声を配置することができないものであり,更に全許容解の数が一般にはバス課題に比べて約1桁多くなることが報告されている。また,与えられたソプラノ課題に対する許容解をすべて列挙することのできるシステム"SDS"について述べ,その実現に要請される情報圧縮法として,「差分和音符号化」を提案している。SDSを使用することにより,学習者は約3分程度で自分の回答の正誤判定を行うことができることが確認されている。