日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
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波動理論に基づく任意吸音構造の吸音率推定
広沢 邦一藤原 恭司
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2005 年 61 巻 3 号 p. 126-134

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抄録

本研究は, 3次元における数値解析によって任意形状の吸音構造の吸音率を推定することを目標としている。まず, 吸音材内部も解析対象とし, 内外の領域を結合する領域結合型境界要素法により斜入射吸音率を求めた。この結果, 有限面積の吸音体の場合, 入射角によって吸音特性が著しく異なり, かすめ入射に近くなるとその値は1を大幅に超えることが示された。次に実測による残響室法吸音率と数値計算による統計入射吸音率を比較したところ, 理想的な統計入射では実測値と整合せず, 残響室内における吸音体への入射条件を把握し, それを数値計算において正しく設定する必要が示された。最後に入射条件の一例として音場入射を仮定した場合の吸音率と実測値を比較した。

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© 2005 一般社団法人 日本音響学会
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