日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
境界音場制御の原理を用いた全方位音響マルチビームフォーミングシステムの開発
橋本 泰治三河 正彦田中 和世
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 68 巻 3 号 p. 113-120

詳細
抄録
スピーカアレーを用いた指向性制御方法について研究開発を進めている。前報では,2次元アレーを用いることで全方位に指向性形成ができ,また,楕円形制御点配置を用いることで効果的に指向性を制御できるシステムを提案し,数値シミュレーションによりその有効性を実証した。しかし,実用システムの製作を想定すると,実空間において音環境を計測する際に,楕円形の制御点位置にマイクロホンを配置することは現実的ではない。そこで,本稿では正方形に配置したマイクロホンを用いて楕円形配置の制御点を等価的に制御する方法を提案する。また,周囲の音環境によらず安定的に指向特性を得るためにリフレクタの導入を検討する。提案方法に基づいて試作したシステムを用い,実環境における実験の結果を報告する。
著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本音響学会
次の記事
feedback
Top