日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
巡回型・非巡回型フィルタの縦続接続適用による2マイクロホンアレーシステムの音声強調性能の改善法
吉岡 拓人岸本 涼鷹藤井 健作棟安 実治森本 雅和
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 69 巻 4 号 p. 159-167

詳細
抄録
本論文では,死角を構成するフィルタの構造を巡回型と非巡回型の縦続接続とする音声強調性能の改善法を提案する。実際,騒音源とマイクロホンの間に残響が無視できない場合に適応フィルタが同定する未知の音響系の構造は巡回型と非巡回型の縦続接続となる。しかし,適応フィルタの構造をこれと同じとすれば,その動作は不安定となり易い。この問題を本論文では係数更新に方程式誤差法,巡回型となる適応フィルタの構造をラティス型,その反射係数を1未満に制限することによって解決する。最後に,実験室内においたスピーカから音声と騒音と出力し,マイクロホンで採取した信号を用いて音声強調性能が本提案法によって改善されることを示す。
著者関連情報
© 2013 一般社団法人 日本音響学会
前の記事 次の記事
feedback
Top