日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
入力信号の再帰的補正による非線形ひずみ低減処理
中島 弘史橋野 樹広坂田 直人加藤 優基
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 71 巻 3 号 p. 115-125

詳細
抄録

本報告では入力信号を再帰的に補正することで再生機器の非線形ひずみを低減する手法を提案する。提案法は既存の非線形ひずみ低減手法に比べ計算量やモデル化誤差が少ないという利点がある。提案法は周波数・時間領域のどちらでも処理が可能であり,同じ環境で処理領域のみを変更した結果,非線形ひずみの低減効果はほぼ同等であることが分かった。また,雑音や残響の異なる二つの室内において,11種類の音源,三つのスピーカを用いて提案法の非線形ひずみ低減性能を評価した。その結果,音源によって低減量は異なるものの,非線形ひずみレベルをおおよそ10〜40dB低減できることが確認された。また,提案法は雑音や残響のある一般的な環境でも補正が可能であり,特に6kHz以下の周波数帯域において有効であることを明らかにした。

著者関連情報
© 2015 一般社団法人 日本音響学会
次の記事
feedback
Top