日本音響学会誌
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技術報告
居室の標準的な平均吸音率の取得に向けた拍手音による測定方法の検討
山内 源太
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2025 年 81 巻 2 号 p. 133-142

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抄録

居室の音環境を評価するためには,居室の標準的な平均吸音率が必要となる。この平均吸音率の取得には多数の居室で測定する必要があるが,居住者のプライバシーの観点から測定は容易ではない。そこで本報では,居室の標準的な平均吸音率の取得を目的に,居住者が行える平均吸音率の取得に向けた測定方法について述べる。音源は,居住者が簡易に発音可能な拍手音とした。リビング・ダイニングルームを用途とする居室6室を対象に測定した平均吸音率は,拍手音で残響時間が評価可能な周波数範囲であるオクターブバンド中心周波数500Hzから4kHzにおいて,1名在室時で算術平均値0.20,空室時で算術平均値0.17を得た。

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© 2025 一般社団法人 日本音響学会
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