2026 年 82 巻 7 号 p. 358-364
本研究は日本の年長から小学6年における選択的聴取能力の発達的標準データを 提供した。2種類の課題を用いた大規模横断研究により,学年進行に伴う正答率の向上と個人差の収束を確認した。 また,低学年で顕著な右耳優位性が観察され,学年進行と共に縮小することも確認した。 2課題間の相関は中程度であり,選択的聴取の異なる側面を 測定すると考えられる。本標準データは,選択的聴取に困難を 示す子どもを特定する基準として,早期発見と適切な配慮の提供に活用できる。 使用した両課題は15分程度で実施可能な簡便性を有する。 日本語環境における初の大規模標準データとして,教育的配慮が必要な子どもへの支援実現に寄与することが期待される。