2009 年 1 巻 p. 29-36
日本音楽芸術マネジメント学会が設立され、音楽大学関係者並びに芸術創造団体や文化施設である劇場・ホール関係者により学会運営が始まった。現在まで「文化経済学会〈日本〉」及び「日本アートマネジメント学会」が文化・芸術の発展のため、貴重な提言や研究成果を発表しているが、両学会の活動は芸術全般を対象としており、音楽芸術分野に関する研究への取組みが必ずしも十分でなかったと言える。 一方で、創造者である音楽家を育成する音楽大学は、旧態依然とした教育体制に縛られ低迷している。音楽芸術環境が変化する中で、文化施設・ホール、音楽事業の現状を検証するとともに、新たな人材育成の在り方について検討し、音楽大学発展の可能性を考察する。