抄録
本稿は、文化政策とアートマネジメントの概念を明確にし、その異同と交錯について考察することを目的とする。第1に、文化政策とアートマネジメントの概念整理をするとともに、文化政策における3つの発現形態(「支援行政」、「保護行政」、「設置者行政」)が、アートマネジメントとして現出する機能であり、アートマネジメントは、これら文化政策の3つの発現形態を内に含みつつ、その動的側面として展開されていることを検証する。第2に、文化政策における給付行政としての実態を提えるとともに、これがマネジメントとしての側面を強く持つものであることを考察する。第3に、文化経済学、アートマネジメント論(文化経営学)、文化政策学の3つの学問分野の定義と相互関係を整理し、とりわけ応用・実践分野として近縁性が強いアートマネジメント論(文化経営学)と文化政策学の相互関係と将来の方向性について概括的に触れる。