学校メンタルヘルス
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大学生の携帯電話のEメールの使用に対する意思決定バランス尺度の開発
尼崎 光洋煙山 千尋清水 安夫
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2009 年 12 巻 2 号 p. 81-86

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抄録
本研究の目的は,大学生を対象とした携帯電話のEメールの使用に対する意思決定バランス尺度を開発することである。調査対象者は,大学生253名であり,質問紙を用いた集合調査法を実施した。調査内容は,携帯電話の利用状況を把握するための項目と予備調査で得られた38項目の意思決定バランス尺度の2種類を用いた。尺度開発のために,探索的因子分析,検証的因子分析を実施した。また,抽出された各因子に対して,信頼性係数(Cronbach's α)を算出した。本研究の結果から,携帯電話の機能の中で,Eメールの使用頻度が最も高く,1ヶ月の携帯電話の使用料金の平均金額は,9576.67円であった。また,1日あたりの携帯電話のEメールの平均送信件数は,19.65件であり,1日あたりの携帯電話のEメールの平均受信件数は,22.79件であった。また,分析の結果,信頼性及び妥当性を兼ね備えた携帯電話のEメールに対する意思決定バランス尺度(2因子14項目)が開発された。今後,大学生の携帯電話のEメールの送受信件数やメンタルヘルスを変数に,携帯電話のEメール使用に対する意思決定バランスとの関連性を検討することが必要であると考える。
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© 2009 日本学校メンタルヘルス学会
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