学校メンタルヘルス
Online ISSN : 2433-1937
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資料論文
中・高等学校場面における不適応徴候尺度の検討
鈴木 美樹江川瀬 正裕
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2013 年 16 巻 1 号 p. 35-41

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抄録

本研究は,生徒の学校場面における不適応徴候を察知するための尺度の検討を行った。調査対象者は,A県とB県に在籍している中学生597名,高校生823名の合計1420名(男子692名,女子728名)であった。

項目分析,探索的因子分析の結果,10項目からなる1因子構造となった。信頼性係数は統計学上の基準を満たしており,妥当性についても検証的因子分析の結果は構成概念妥当性が許容範囲内であり,基準関連妥当性が備わっていることを確認した。また,不適応徴候尺度について教師評定で指名された生徒(指名群)と,それ以外の生徒(統制群)との間に差があるかについて検証した。その結果,教師に指名された指名群の方が,統制群より有意に本尺度の値が高いことが示唆され,本尺度の内容的妥当性についても確認された。

最後に学校場面における不適応徴候を察知するための尺度作成における課題点と実践場面への活用方法について考察を行った。

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© 2013 日本学校メンタルヘルス学会
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