学校メンタルヘルス
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ショートレポート
親子間での担任教師に関するコミュニケーションと高校生の教師に対する信頼感および登校回避感情との関連
板倉 憲政
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2017 年 20 巻 2 号 p. 197-203

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抄録

【問題と目的】本研究の目的は,親子間での担任教師に関するコミュニケーションと高校生の教師に対する信頼感および登校回避感情との関連を検討することであった。

【方法】インターネット調査会社MELLINKSに登録している対象者の中で,本調査への協力同意が得られた高校生250名(男子125名,女子125名)を対象に質問紙調査を実施した。調査内容は,親子間での担任教師に関するコミュニケーション,教師に対する信頼感,登校回避感情であった。

【結果】親子間での担任教師に関する肯定的コミュニケーションと生徒の教師に対する安心感および役割遂行評価の間に正の関連が示された。また,親子間での担任教師に関する否定的コミュニケーションと生徒の教師に対する不信および登校回避感情の間に正の関連が示された。

【考察】本研究の結果から,生徒の認知する保護者の教師に対する信頼感が,生徒の教師に対する信頼感の規定要因になっている可能性が示唆された。高校における不登校支援では,母親の担任教師への評価を肯定的に変化させる支援が有効であると考えられる。

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© 2017 日本学校メンタルヘルス学会
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