学校メンタルヘルス
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資料論文
高校2年生から大学時にかけての学校不適応感の変化と大学時のストレス関連成長との関連
―回想法を用いた調査から―
浅井 継悟鈴木 美樹江加藤 大樹酒井 麻紀子
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2025 年 28 巻 1 号 p. 97-106

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抄録

【問題と目的】学校不適応は単なる状態としてではなく,適応の一過程として捉えられている。特に高校から大学にかけては求められる適応様式が変化することもあり,本人がどのようにその変化を捉えているかが現在の適応感に影響を与えることが考えられる。そこで,本研究の目的は,本人が認識する大学入学前の高校時代から現在にかけての不適応感の変化と,本人が感じるストレス関連成長との関連を明らかにすることであった。

【方法】大学生530名を対象にオンライン調査を行った。高校2年時の学校不適応感,ソーシャルサポート,ロールフルネス,ストレス関連成長および大学時の学校不適応感の測定を行った。

【結果】潜在プロファイル分析を用いて分類を行った結果,5つのクラスが抽出された。クラスごとにストレス関連成長得点を比較したところ,高校2年時と大学時の学校適応感が高く,ソーシャルサポートサポートとロールフルネスも高い群が最もストレス関連成長得点が高く,高校2年時と大学時の学校適応感が高く,ソーシャルサポートとロールフルネスが低い群が最もストレス関連成長得点が低いことが明らかとなった。

【考察】本研究の結果より,高校2年時よりも不適応感が低下したと感じたからといって,必ずしもストレス関連成長をしているわけではないということ,ストレス関連成長には,ソーシャルサポートとロールフルネスが関連していることが明らかとなった。また,不適応感が低く適応しているように見える群のストレス関連成長得点が最も低かったことから,現在不適応感を感じていないからといって,支援の不要さを意味しているわけではないことが示唆された。これらのことを踏まえ,高等学校・大学における支援のあり方について考察された。

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