今春JR福知山線で発生した脱線事故は企業経営のあり方に深刻な課題を投げかけた。筆者は、その真因に、安全輸送という鉄道本来の使命よりも、利益優先の過密ダイヤの編成・死守という、手段の追求に注力してきた経営体質を見る。実はこの手段志向体質はほとんどの組織体に潜在し、日常業務の端々で顕在化する。昨今、企業目的は社会貢献にあると認識され、各企業はCSR(企業の社会的責任)活動に真剣に取り組み始めているが、手段志向体質から脱しない限りCSR戦略は結実しないだろう。その鍵は日常業務の進め方が握る。このことと、業務プロセスの多元的展開を狙って開発された経営管理手法スーパーマップ法の役割について報告する。