日本の半導体産業における知識集約型ビジネス・アーキテクチャの展開に関する一検討

抄録

半導体製造の中枢とも言えるシリコン・ファンダリ(Silicon foundry)は資本集約型事業となっている．こういった進展過程の中でその産業構造に対応する新しいビジネス・モデルが次から次へと仕掛けられてきた．本論では経営資源が少ないベンチャーでも参入障壁が低い設計開発領域に着目し，設計知識という統一した次元で半導体産業を見直す．まずこの設計知識を源泉に知識集約型のビジネス・モデルとして確立したファブレス(fabrication-less)・モデルから展開されるチップレス(chip-less)・モデルを導出する．これは新たな知識集約型ベンチャーとも言えるチップレス・メーカと日本の半導体メーカとのコラボレーションによるビジネス・モデルである．このモデルが一つのビジネス・モデルの展開として成立するのか検証を行う．