IT基本法が制定され、また、政府各部門でペーパーレスによる業務の簡素化・効率化が進められることとされて、10年以上が経過しようとしているが、未だに「紙ベースの書類による業務」が主流であり、ペーパーレスが進んできたのは、通知、伝達、配布などの部分に過ぎず、意思決定プロセスが電子ベースで行われていることが少ない。また、配布された文書は、受け取った部門で紙媒体に出力され、紙ベースで処理される。このように、政府内部の個々の業務プロセスにおける電子化状況の観察について報告し、電子政府進捗の阻害要因を検討する。