ITの発達に伴い，新聞はその伝達手段を広げ，最新の情報をリアルタイムに提供できるメディアへ変化した．その背景には，電子化により印刷や流通のコスト削減が可能となり，環境的・経済的にも受け入れやすい，といったことがある．一方で，新聞各社の電子化への移行は非常に緩やかであり，電子化に対する姿勢も各社でまちまちである．これは周辺の業界構造の変化を懸念していることが一つの要因である．よって本研究では，新聞業界の構造や変遷を調査し，全国紙各社の電子化への取り組みを比較・分析することで，電子新聞の普及を妨げる問題点を明らかにする．また，これらを解決するための電子新聞の新たな形について考察する．
