抄録
近年,新興市場からの投資家離れが懸念されている。それは新興市場に上場する企業への信頼性の欠如が原因の一つとして挙げられ,現在東証マザーズでは改革が進められている。本研究では新興市場に上場している企業の上位市場への指定替えという行動を分析対象とする。とくに企業の新興市場への上場時点と上位市場への指定替え条件をクリアした時点の2時点に着目する。新興市場と上位市場とでは社会的責任が異なる。新興市場に止まるか上位市場に指定替えするかは,単なる成長性の違いだけではなく,経営組織の問題,経営上の意思決定問題であることを明らかにする。これにより,長期的投資資金を新興市場に導入する一助となることが期待される。