e-Japan戦略が開始されてから10年以上経つにも関わらず、電子行政で扱う漢字コードの標準化が進まず、いまだに行政手続き等では外字(コンピュータの文字セット外の文字)の扱いが問題となっている。最近の経済産業省および総務省の2つのプロジェクトによって、外字問題解決の方向性が示されたが、いずれも文字コードを増やす方法で対処しようとしている。しかし、文字コードを増やす方法は問題解決にはならないことを、日本人の漢字に対する認識能力や識別能力に関するデータや実験で通して示す。そして、人間とコンピュータの認識方法の違いを踏まえたうえで、新たな社会制度構築による解決方法を示す。